東京大学 グリーントランスフォーメーション

人材育成・教育プログラム

グローバル・コモンズ・スチュワードシップを主導する人材の育成

教養学部前期課程 学術フロンティア講義

『グローバル・コモンズの管理とシステム転換』

■ キーワード

地球環境,脱炭素社会,環境負荷,社会・経済システム転換, SDGs

 

■ 講義目的

私達が暮らす地球は、これまで人類が住み慣れた「完新世」から全く未知の地質時代「人新世」に突入している。これは産業革命以降拡大してきた人間活動が地球環境に大きな負荷をかけ、近年それが急速に進行し、地球という人類の共通財産が危機にさらされていることを意味する。すなわち、これまで私達の繁栄を支えてきた安定的でレジリエントな地球システム(グローバル・コモンズ)の毀損という、未曽有の危機に私達は直面している。
そうした認識から、東京大学では「地球という人類の共通財産を管理し次世代に引き継ぐための変革」および「持続可能な社会を地球容量の枠内で達成するためのシステム転換」をグリーントランスフォーメーション(GX)と位置づけ、それらの研究と実践を駆動するための新しい体制を作るとともに、地球と人類社会の未来に貢献する「知の協創」を担う人材の育成を目指している。

具体的には、多様なステークホルダーとの対話と実践を通じて学知と協創を生み出すことにより、急速に変貌する世界の中で地球環境危機に立ち向かう知的基盤を自らの中に構築し、課題解決に向けて社会に対してリーダーシップを発揮する人材である。人類が抱える大きな課題に積極的に取り組む人材を育てることは、   東京大学が社会から負託された使命である。

本講義では、多様な学問に基づくGXについての総合知の習得を目的とする。さらに、東京大学のGXへの取り組みについての課題演習に取り組むことで、地球規模課題を自分事として捉えるとともに、仲間との対話を通して課題解決に向けたリーダーシップと創造性を育むことを本講義では目指している。

 

■ 基本情報

科目種別主題科目:学術フロンティア講義
対象学年1年 文科 理科、2年 文科 理科
開講場所駒場Ⅰキャンパス 駒場1号館 156教室
開講時期2022年度 Aセメスター(全13回)
開講時間火曜 2限(10:25~12:10)

 

■ 講義スケジュール

講義内容担当教員、形式
A. 基礎理論・概念
1【10月4日】グローバル・コモンズの責任ある管理(地球環境問題の現状。システムとしての連鎖の問題。新しい社会の制約条件/土台としてのグローバル・コモンズ)石井菜穂子 教授(未来ビジョン研究センター(IFI))
2【10月11日】サステイナビリティ福士謙介 教授(IFI)
B. 地球規模課題を解く学知と社会との協創(アクション・エリア)
3【10月18日】都市システム浅見泰司 教授(工学系研究科都市工学専攻)
4【10月25日】演習①:東京大学GXキャンパスアクション・プラン:Race to Zero(2050年までにネットゼロを目指すことを約束し、その達成に向けた行動をすぐに起こすことを呼びかける国際キャンペーン)における東京大学として取り組むべき課題や活動を提案.例:東大と他大学の比較データ分析など(グローバル・コモンズ・スチュワードシップ・インデックス大学ランキングの開発)。東大生の自分ごと化。80%の学生と対話するには?学生対象アンケート。オンライン情報発信コンテンツ開発。対話集会。生協(食堂含む)へのヒアリングなど。川崎昭如 教授(IFI)、TA2名
5【11月1日】エネルギー・システム松橋隆治 教授(エネルギー連携研究機構長)
6【11月8日】気候変動・脱炭素沖大幹 教授(工学系研究科社会基盤学専攻)
7【11月15日】演習②:東京大学GXキャンパスアクション・プラン 中間発表川崎昭如 教授(IFI)、TA2名
8【11月29日】経済学から見たコモンズ(社会共通資本、共有地の悲劇、コモンズの管理論、資本論など)松島斉 教授(経済学研究科)
9【12月1日(木)夕方】東京フォーラムのセッション参加@オンライン
10【12月6日】気候科学と社会のコミュニケーション江守正多 教授(IFI)
11【12月13日】食料システム川崎賢太郎 准教授(農学生命科学研究科)
12【12月20日】演習③:東京大学キャンパスアクション・プラン川崎昭如 教授(IFI)、TA2名
 【12月27日】予備日 
13【1月10日】演習④:東京大学GXキャンパスアクション・プランに関する発表と講評石井菜穂子 教授、福士謙介 教授、川崎昭如 教授

 

■ 成績評価

出席点40%、発表(中間+最終)30%、レポート30%

 

■ 昨年度の実習による成果(提案)の例

  • 駒場キャンパスの電力需要を再生エネルギーのみで賄った場合の試算と提案

  • SDGsに関する講義の必修化について検討

  • フードロス削減に向けてナッジ理論を活用した意識改革

  • 大学内における脱炭素の実現のための手法の提案

 

■ 2021年度の様子

開講初年度では、多様な学問に基づく総合的な体得を目的とし、座学講義の内容に基づいた、GXについて大学が取り組むべき課題について解決策を提案する演習型の講義を実施した。

座学パートでは、エネルギーシステムや都市システム、気候変動・脱炭素等、各分野の第一線の教授の講義を受けた。また、2021年12月に開催されたTokyo Forum 2021にも参加し、GXやグローバル・コモンズに関する世界最先端の議論を聴講した。
演習パートでは、座学講義の内容に基づき、GXについて大学が取り組むべき課題の解決策の提案を図った。グループワークでは教員からのフィードバックも交えながら様々なテーマに沿った定量的・定性的な分析に取り組んだ。

GXに取り組む最先端の講義を通して、学生にとって貴重な学びの場を提供するとともに、前期教養学部生の将来の選択肢の幅を広げる講義となった。さらに、学生が大学内での各課題解決に主体的に取り組むことで、地球環境問題を自分事として捉え、課題解決のためにリーダーシップを発揮する機会を創出した。

 

■ 関連サイト

学術フロンティア講義 (グローバル・コモンズの管理とシステム転換)
https://catalog.he.u-tokyo.ac.jp/detail?code=51445&year=2022

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