東京大学 グローバル・コモンズ・センター(CGC)とポツダム気候影響研究所(PIK)は、 グローバル・コモンズを守るためのエネルギー、土地利用、 生産および消費の変革に関する報告書 “Transforming human systems to safeguard the Global Commons” を発表しました。
人類の活動により、 すでにいくつかの地球システムがプラネタリー・バウンダリーによって定義された限界値を逸脱しています。 しかしながらエネルギー、土地利用、 生産および消費パターンの変革を協奏的に実施できれば、 気候、 氷床、 海洋、 オゾン層、陸上生物圏すべてを保護し、 グローバル・コモンズ(人類の繁栄と安全の土台である、 安定的で回復力のある地球システム)の完全性を維持し、 「プラネタリー・バウンダリー」の安全領域に留まることができます。 グローバル・コモンズ・スチュワードシップに関するこの新しい報告書は、 グローバル・コモンズセンター(CGC)とポツダム気候影響研究所(PIK)によって協働イニチアチブの成果として作成され、 これらの変革がもたらす影響と、 それらが互いにどのように影響し合うかについて統合的に評価したものです。
本書は、 人類の活動とシステムをそれぞれ変革することでグローバル・コモンズの劣化傾向を逆転させ、 2050年までに地球システムをプラネタリー・ バウンダリーに極めて近いレベルか、 その安全領域内に収めることができると述べています。 主な対策としては、 再生可能エネルギーによる電力の急速な脱炭素(カーボン・ニュートラル)化、 公共交通機関の電化、 持続可能な食生活へのシフト、 食品廃棄物の半減、 鉄鋼、 セメント、 化学セクタ―における材料効率の向上などが挙げられます。 また、 グローバル・コモンズを効果的に保護するためには、 統合的で包括的な政策デザインが必要であると指摘しています。
・グローバル・コモンズ・スチュワードシップ(GCS)プロジェクトは、 東京大学グローバル・コモンズ・センター(CGC)が主導しています。 このプロジェクトは、グローバル・コモンズ・スチュワードシップのための概念的枠組み(フレームワーク)と戦略の開発推進を目的としています。
関連リンク
レポート全文 Transforming human systems to safeguard the Global Commons (8MB, PDF)
要約文 Transforming human systems to safeguard the Global Commons-Executive Summary (3MB, PDF)
グローバル・コモンズ・スチュワードシップイニシアティブ